足と靴の相談室エルデが、
新聞雑誌などで取り上げていただいた時の記事を紹介します。
2001年7月5日 朝日新聞 家庭欄
障害者に『整形外科靴』 
東京の靴店が製作/歩きやすさを追求/値段の高さが悩み

 足の障害やリウマチ、糖尿病といった病気のため、なかなか合う靴がなく、歩くことが苦痛――。そんな悩みを解決する「整形外科靴」が登場した。一人ひとりの足に合わせて補正を重ね、歩行を助ける。一足10万円近くと高価なのが悩み。健康保険や福祉制度を利用して負担を軽くする方法もある。

 「感覚がなかった足の裏が地面を感じるようになった。足の指も動くようになった」
東京都立川市の会社員、安養寺喬さん(74)は、最近履き始めた革靴の効果を喜んだ。以前は足の裏のタコがひどく、50歩も歩くと疲れたが、今では1日6千歩でも平気という。30年以上も糖尿病を患い、皮膚が弱く感染しやすい。靴は、足の当たる部分に柔らかい素材を使い、圧迫しない特別な作りだ。
 この靴を作ったのは、東京都新宿区にある靴店「足と靴の相談室エルデ」。ドイツ人カール・ハインツ・ショットさんの指導のもと、障害に応じた靴を選び、足に合うまで補正を重ねる。糖尿病、リウマチ、股関節脱きゅう、足のまひなど障害を持つ人が訪れる。
 リウマチを患う東京都内の女性(49)は、変形した足の状態に合わせて靴の中や靴底を補正し、足裏のタコに負担がかからないようにした。以前は病院の義肢装具士が作った靴を履いていたが、タコが「頭のてっぺんに響くくらい痛かった」という。
 問題は費用だ。「エルデ」のような靴店で作った場合、数万円から10万円近くかかる。公的な助成制度を利用する方法もある。リウマチの女性の場合は福祉事務所に申請し、約8万6千円のうち自己負担は1万3千円余で済んだ。医師の診断があれば健康保険の利用もできる。
 課題も少なくない。日本リウマチ友の会の長谷川三枝子理事長は「靴の重要さを理解して患者の訴えにきちんと対応できる医師が少ない。特に地方では、障害者用の靴がある靴店も少ない」と話す。同会が99年に行った調査では、靴を「我慢している」人が45%、「靴のことはあきらめている」も4%あった。
 東京都福祉機器総合センターがまとめたガイドブックには、「(福祉制度を利用して)作っても、不格好だし足にあわなくて、結局みんな履かなくなる。税金の無駄遣い」という声が紹介されている。
 同センターで靴の相談を受ける岩波君代さんは「利用者が声をあげて、靴の具合が悪くても泣き寝入りしないことが大切。医師や義肢装具士、靴店など様々な分野の人が集まり、改善策を広く議論する必要があると思う」と話している。
2002年12月1日 ソトコト No.42
靴選びの基本は自分の足を見つめることから 
整形外科靴技術による足と靴の関係を知る

「整形外科靴技術」というのがあるのをご存じだろうか。直訳すれば、足に障害を持ち、歩くことが困難な人のための靴である。第一次世界大戦後、戦争により足に障害を持った多くの人のために発達した技術。本場ドイツではこの「整形外科靴技術」がマイスター(国家承認の職人技術)として定められ、数多くの専門学校をはじめ、専門店が存在する。

 と、こうして説明するとどこか堅苦しくなってしまう。ただ歩くことが困難なほどの障害ではなくても、案外フツーの人で足に悩んでいる方は多い。「なんだか疲れやすい」「仕事がら立ちっぱなしで、足が非常に痛い」なんて、ちょっとした足の悩みを覚える人は多い。加えて、「いい靴が欲しい」という人も多いはずだ。スニーカーも多機能にラインアップし、さまざまな靴が流通している最近ではある。しかし新しい靴を買うたびに「もっとフィットした靴が欲しい」と、さすらいの靴選びを続けている方も多いと思う。
 そんな自分の靴探しの旅に出ている、お悩みのあなたに、「足と靴の相談室“エルデ”」を紹介したい。まさに冒頭に説明した「整形外科靴技術」にのっとり、十人十色、“百人百足の足”に合わせた「最上の靴」を提供してくれるショップである。

 東京は大江戸線落合南長崎の駅から徒歩5分ほどの住宅街にあるショップ。オーナーの渡辺氏ご夫妻は、エコロジーが話題になる昨今よりずっと前から有機農産物やエコロジー製品に取り組んできた。靴のほかにさまざまなエコロジー商品を扱い、口コミで徐々にではあるがユーザーを増やし、圧倒的な信頼を得ている。
 「足と靴の相談室」も知る人ぞ知る的に広まり、今ではエルデの靴が欠かせない会員が1,000人もいる。リウマチや糖尿病などにより、歩くのが苦痛なユーザーから、外反拇趾や巻きづめ、タコや魚の目を患う人までさまざまだ。「足に障害のある人」専門のショップなのだが、考えかたを変えれば「フツーの人にとっても最高の靴」を提供してくれる靴屋さんなのである。決して広くはない店内にはさまざまなデザインの靴がラインアップし、そのどれもが「整形外科靴技術」に基づいた靴だ。

 試しに自分を実験台とし、足の状態を測ってもらった。最近とみに足が疲れやすく痛いことがある。まさに靴選びに悩んでいた。
 まずは裸足になり、カーボン紙のような測定紙の上に立つ。ものの数分で足の状態がプリントされるのだ。このフットプリントだけで足の状態が手に取るようにわかってしまう。「扁平足」や「開張足」などの度合いがはっきりとわかる。そして足の骨格標本を見本に、正しい足の状態を説明される。足を作る骨格の理想的な形と筋肉の付き方などがいかに自分と違うかを知る。もうすでにこの段階で、どのような靴にするか、サイズはどのくらいなのか等は決定されているのだ。
 さらにリハビリ(トレーニング)方法まで伝授される。筆者は扁平足で開張足であり、足を形づくる縦横の骨格のアーチがたるんでしまっているとのこと。筋肉を発達させアーチをつくる力をもたらす必要がある。そのためには運動が必要。足指を開いたり閉じたり、タオルを足の指で挟んで持ち上げたり、といった運動をすすめられる。そしてこの状態の足を矯正する靴を履くことによって、次第に直っていくという具合だ。靴を買うのにこれほどまで足の状態を見抜かれてしまうのは、驚きだ。同時にここまでしなければ「最高の靴」なんてあるわけがないことも知る。

 なんでもモノが安い時代にあって、エルデの靴は最低でも2万円からと決して安くはない。さらに会員制なので1万円の入会金が必要だ。しかしエルデでは購入されたユーザーの状態を定期的に検診し、いつまでも最高の状態を提供してくれるのだ。
 足は人それぞれ、ならば靴だって同じ。この考え方を実現してくれる「足と靴の相談室“エルデ”」。整形外科靴技術の発想は「本物の靴」への非常に確かなアプローチなのである。話を聞けば聞くほど本気で欲しくなる靴。まずは自分の足を見つめることから始めてみよう。

 エルデでは純粋に整形外科靴だけではなく、あらゆるユースの靴がラインアップされている。写真はその代表的なモノ。特筆したいのは子供用の靴である。まだ足が十分に成長していない子供にとって、実は靴が大きな影響を与える。骨格が形成される以前に正しい靴を与えることがどれだけ大切なのか、悲しいかな、まだ日本では伝わっていない。よく見る学校の上履きなんてもってのほか。「どうせ大きくなるから」と大きめの靴を買う親も問題。履きやすいスニーカーにだって落とし穴がある。ちなみに写真の白い靴は赤ちゃん用の靴。歩くのが遅いと思っていた赤ちゃんに履かせたら、スタコラ歩いたとのこと。未来の大人たちのために、我々はもっと靴に意識をしなくちゃ、と反省するほどの靴なのだ。

Text:逆瀬川正人
2003年9月 Kinari(首都圏コープ) 9月4回号
あなたの靴は大丈夫ですか? 
整形外科靴技術に学ぶ、足と靴の密接な関係。

「素足を見せてください」−−そう言われて、なんのためらいもなく足を差し出せる人はどれほどいるだろうか。普段、靴のなかに隠れているためあまり話題になりにくいが、足のトラブルに悩む人は案外多い。「足の不調は、膝や腰、全身にまで影響するので、軽視は禁物です」と注意をうながすのは、「足と靴の相談室エルデ」の渡辺さ江さん。「ドイツ整形外科靴技術」に出会ってから、デザインだけでなく「健康を考えた靴選び」の重要性を提唱してきた「靴の専門家」である。

「足を使って生活することが大事」
 「エルデ」は、東京都新宿区の閑静な住宅街にある。店内には子どもから婦人、紳士用まで靴が陳列されているが、普通の「靴屋さん」ではない。“足のトラブルに悩む人のための専門店”なのだ。
 最近では、専属の「シューフィッター」が靴選びの助言を行う店も増えてきた。しかしシューフィッターが、豊富な商品知識を駆使して既存の靴のなかから適合するものを探す仕事であるのに対し、「エルデでは、『まず、足ありき』。あくまでも、靴を足にあわせる、という考え方です」。足の状態や症歴などをカウンセリングし、足型の基礎データとなるプリントなどを作成する。必要に応じ医師とも連携して足に合うよう靴の補正を重ねる一方、歩き方や足先の体操も指導する。
 「重い症状は医学的処置が必要になりますが、靴以前にまず筋肉を鍛えることが必要。足に合った靴でできるだけたくさん歩く、足を使って生活する……この自覚が大事です」

「靴を変えると、生き方まで変わる」
 古くから靴文化が培われてきた欧米のなかでも、とりわけ「足の健康」教育に熱心なドイツでは、解剖学や病理学など医療知識に基づいた製靴技術に対し国家資格(マイスター)制度が設けられている。「エルデ」の仕事のベースにあるのは、そうした「整形外科靴技術」。その権威であるカールハインツ・ショット氏が16年前に来日、日本での普及に力を注いでいる。
 ショット氏に師事して基礎を学んだ渡辺さんは、96年に「エルデ」を立ち上げ、予想以上の反響の大きさに驚いた。
 「たとえば、リウマチで指が変形している方でも、普通の靴で我慢しているケースが多い。ここで自分の足にフィットした靴を手にし、足を気にせず外出できるようになったと喜ばれました」「靴を変えることで、生き方まで変わる人が多い」……それが渡辺さんの実感だ。
 【その他の主な掲載記事一覧】

 1997.4.12 朝日新聞 夕刊 ウィークエンド経済 足の悩みの「相談室」
1997.6.22 朝日新聞 ひと欄 日本で整形外科靴の普及を図る
1998.3.20 SCIAS(サイアス) 34号 感性革命/「快」のテクノロジー
1998.7.22 Hanako No.500 自分で脚の疲れを取る
1998.11.7 ジャストヘルス 185号 足が喜ぶ靴とのつき合い方
1999.6.25 WEDGE 7月号 足のトラブルは靴が原因なの?
2000.1.27 Saita 67号 靴の中敷を変えたら
2002.11.1 さわやか元気 100号 ドイツ整形外科靴の最新技術で“健康な足”へ
2003.1.10 ウッディライフ No.101 足と靴
2003.3.14 週間朝日 子どもの足が危ない