2003年6月 第17号掲載

GeOのエコロジー健康靴が製造中止に 

エコロジー先進国ドイツでも特別扱いされていたGeOマークのマンフレット・エルゴット社が、とうとう生産を中止しました。  
100%植物タンニンなめしの革が入手し難くなったのに加えて、最近のドイツでは省クロムなめしや合成タンニンなめしの革が、安価な「エコロジー」として普及し、数年前には「エコロジー靴ならGeO」といわれていた状況も様変わりしてきました。その結果、大量に出回る安価な「エコロジー」靴に押されてGeOへの需要が激減してしまい、売れ残りが出るようになりました。
そこで、エコロジーを生活規範としている社長のエルゴットさんは、貴重な素材で丁寧に作られる靴を、売れ残ったからといって不良在庫として処分するようなことはできないとの信念から、本物の靴が求められるようになるまで生産を中止することにしました。長年かけて確保した良質の100%植物タンニンなめしの革は、まだ相当量あるそうですが、確実な受注が来るまで生産を見送るというのです。  
残念ではありますが、エルデだけでまとまった数を注文することはできませんので、今後入荷の見通しがつかなくなり、サイズのそろった在庫も少なくなってきました。 
しかし、私たちも、エルゴットさん同様、どんな理由があるにせよ、このGeOの靴を不良在庫として処分するようなことはできません。この靴の持ち味を理解してもらえる人の足に最後のひとつがフィットするまで、持ち続けるつもりです。  
vol.17(2003年6月10日)より